ブランド定番ノルウィージャンのUチップシューズ”CHASSE”。
Uチップ部分はスキンステッチを施し職人の技術が詰め込まれています。スキンステッチはミシンがないため基本的には手縫い。腕利きの職人でなければ美しく縫い上げることができません。ノルウィージャンは登山靴などに用いられていた縫製仕様で、高い防水性と耐久性を備えます。さらにはステッチを二重でかけ強度を増しています。細部のステッチワークは本当に美しく、ブランドの技術の高さを感じます。ソールは全天候型のドルフィンソール。インソールにはコルクが詰められているので、履くほどに足に馴染んでゆきます。袋ベロなど元々カントリーシューズなども手掛けていた背景も見え隠れ。
アッパーはフランスのデュプイ社のボックスカーフを使用。エルメスが使用していたことでも有名なデュプイ社のカーフはキメが細かく、美しい。また、パティーヌ染めを施しムラのある仕上がりに。そんな贅沢な革を1枚革に近い形で切り替えを少なくし、足馴染みを良くしています。
どのような手入れをするか悩む靴です。このような傑作がまだフランスにはあるのかと驚きが隠せません。
革から生産まで全てフランスにて行っている貴重な一足です。
SIZE SPEC(適正目安を表記)
40/25-25.5cm
40H/25.5cm
41/26cm
41H/26.5cm
42/27.0cm
素材:カーフ(デュプイ パティーヌ)
生産国:フランス
モデル(足長約26.3cm Alden US 8H、Paraboot UK 7H)着用サイズ:41H ややキツめですが馴染めば丁度良い具合です。
Joseph Malinge/ジョセフ・マランジュ
MALINGE家の挑戦の第一歩は130年前に遡ります。現当主の曾祖父となる創業者Joseph Malinge(ジョセフ・マランジュ)はフランス西部、トゥルーランドリーの町で木製ソールのクロッグシューズの製作を生業としていました。1889年に勤めていた工場を引き継ぎBOTTIER POLIANEを設立。その頃からフルレザーシューズの生産にも取り掛かるようになります。
彼の息子が生産を取り仕切るようになる頃には、ビスポークシューズを中心に乗馬ブーツなども手掛けるハンドソーンのシューメーカーへと形をかえてゆきました。
彼らの作るシューズは、その頑強な作りと計算され尽くした快適なフィッティングで、広く知られるようになります。現当主の父親である3代目に引き継がれる頃には、ビスポーク事業と並行して既成靴の生産も行うようになります。1986年”JOSEPH MALINGE”を本格的に始動。
4世代にわたり培われてきたノウハウ、工場設備、タンナーとの友好関係などいずれも一朝一夕で得られるものではなく、現当主Josephにとってかけがえのない財産となり大事に受け継がれています。
トゥルーランドリーにある工場で使用する一部の機械はとても古いものです。現代では入手することができない貴重な機械をメンテナンスしながら最前線で稼働しています。これらの装置は近代の機械では再現することのできない”味”を製品にもたらします。
製靴技法は多岐にわたり、ノルウィージャン、グッドイヤー、ブレイク等様々なウエルトで多様なデザインに対応しています。同時にスキンステッチなど、極めて職人的な手作業にも対応する技術力も併せ持ちます。また、代々受け継がれてきた靴職人としての膨大な量のアーカイブは多様なスタイルの製作にも適応可能なノウハウとして蓄積されており、非常に柔軟性に富んだ生産背景を実現しています。タンナーとの結びつきも強く、デュプイ、アノネイ、デジェルマン、アース、レミーキャリアットなどのフレンチタンナーを中心に、デザインや用途に応じて最適な素材を取りそろえることができます。