アメリカントラッドやアイビーを語る上では欠かせないボタンダウンシャツ。その伝統的なデザインは残しつつ古臭くならないように仕上げています。ボタンダウンシャツの命とも言える襟のロールは8cmのフルロール。襟先のボタンは襟ステッチにかかるぐらいの位置で。この辺襟先の返しなど道具も要るし、一日にそこを何十枚をやるからこそ、量産の独特な「うまさ」が出る部分。
それから背中のボックスプリーツや、ステッチの無いコンストラクションヨークなど往年のディティールをちゃんと落とし込んでいます。脇マチはなしの裾部分の細い巻き縫いなど抜かり無い作り。こういった細かい部分がクオリティを左右します。
身頃はフィット感はあるけれどもピタピタではない。肩幅も落ちすぎず、入りすぎず。着丈は裾を出してもタックインしても着られる75cm程を中心に。袖ぐりのカマ幅(縦方向の寸法)はある程度寸法にゆとりを持ち、肘から先をわずかに細くしてスッキリ野暮にならないように。その分袖がまくりづらくなるので、袖口の開きは深めに取って、着やすいようにデザイン。見た目からのデザインではなく、着やすさや現代に求められるフィッティングを設計的にパターンを引いています。
定番のスーピマオックスは少しガサっと固い。着こんでいくと柔らかくなじんでいく。オックスのシャツを襟が擦り切れるまで着た事がある方はわかると思います。あの「ぼろいんだけど着心地が良くて手放せない」までいくのがオックス。ドレスウェアに近い雰囲気で、「育つ」を実感できるのがオックスの面白いところ。重さは5.5オンス、通年着られる厚み。おなじみの細い綿糸にて縫製。細かいステッチの理由はこのぐらいステッチを打って、かつ生地に目がめり込まないと摩擦にも弱いからです。化学繊維の糸で縫えば、単純に強度は出ますがそこはやっぱり、表地に合わせて一緒に味わいの出る綿糸にいまだにこだわっています。まさに経年変化を楽しむことが出来るシャツに仕上がっているのです。
「Matilda Stripe」はWORKERS 別注。「色糸何本・白糸何本」と、 本数指定し柄・規格書をイラストレーターで描き「これだ!」という柄行で指示してつくりあげたこだわりの生地です。
何枚持っていても後悔しないボタンダウンシャツは様々なスタイリングに合わせることができる万能アイテムです。おうちでの仕事にも丁度良いですね。